招待講演
Invited lecture

9月17日

鹿野 護(宮城大学 事業構想学群 教授ワウ株式会社 顧問

プロフィール
東北芸術工科大学卒。ソフトウェア開発とコンピューターグラフィックスを統合した表現に取り組み、コマーシャル映像からインスタレーション、ソフトウェア開発まで様々な分野のビジュアルデザインを手がける。これまで国内外の展示会や美術館にて、空間展示型の映像作品を多数発表。近年では情報機器のユーザーインターフェイスのデザインを手がける。ユーザー体験と表現のあり方の関係について、表現と技術の両方の視点から研究に取り組んでいる。

学位
デザイン工学 学士 東北芸術工科大学 1995年

経歴

  • 東北芸術工科大学 情報デザイン学科卒(1995)
  • 東北工業大学 准教授 (2013〜2016年)
  • グッドデザイン賞審査員 (2013〜2014年、2016〜2017年)
  • 東京芸術大学 非常勤講師 (2015年)

題目

自然湧出的メディア表現

講演内容

「面白い」とか「不思議だな」という純粋な感性が源泉となっているメディア表現に触れると、とても強い芯のような存在を感じることが多々あります。そしてこの芯は表現を技術デモから作品に飛躍させる力を持つのです。そして、このような感性を持ち歩くためには技術やビジネスのトレンドの理解だけでなく、身近な謎に気づける「好奇心」が必要となってくると考えています。今回の講演では私が仕事や自主制作の中で体験してきた、様々な自然湧出的なメディア表現と、それを具体化するために用いたプロセスなどをテーマとしてお話ししたいと思います。

作品例

Light Rain(左上)

水をテーマとしたインタラクティブなインスタレーション。ミニマム なグラフィックスと有機的なモーションで、詩的な映像表現に挑戦。 英V&A博物館にて展示。この作品以降、WOW仙台のインタラク ティブ表現が本格化する。

Motion Texture(右上)

「存在する映像」をテーマとした、WOWオリジナル企画展の第一弾。リ アルタイムモーショングラフィックスと表現のあり方を探るプロジェクト。 せんだいメディアテークと日本科学未来館にて展示。

工場と遊園地(下)

地域のデザイナーやアーチスト、科学者とのコラボレーションから生まれ た大型のインスタレーション作品。宮城県美術館を皮切りに、金沢21世紀 美術館やロシアのデザインイベントなど、国内外の美術館などで展示。 WOW仙台の代表的作品。


流線ノート(左)

動きや流れの美しさを、軌跡で表現。手の動きを読み取るセンサー を使用することで、映像の中の流れに触れるような感覚を作り出し た。個人作品。

二十一世紀ボヤージ(右)

二十世紀以降の歴史をテーマにしたアプリケーション。創造と破壊の出来 事をランダムに表示することによって、新たな時代像を作り出す。2003 年に最初のバージョンをリリース。現在もアップデートを続けている。個 人作品。


ICBM(左)

ロシア構成主義をテーマにしたWOWオリジナルのモーショングラフィッ クス作品。大胆な構図と大きな場面展開により、プロパガンダのアイロニー として表現した。

Passage(右)

WOWオリジナルのモーショングラフィックスの第一弾。写真を立体的に 変形させながら、奇妙な世界をテンポ良く描いた作品


WOW CI Renewal

WOWのCIリニューアルに合わせ、ブランディングの一環として制作した コンセプトビジュアル。

招待講演(HI学会SIG-DeMO OSと合同)

9月18日

石川大樹(ニフティ株式会社 デイリーポータルZ編集部読み物サイト「デイリーポータルZ」編集者,ヘボコンマスター)

プロフィール
2014年7月にイベント「技術力の低い人 限定ロボコン(通称:ヘボコン)」(HEBOCON: The Robot Contest for Dummies)を開催。その後、同イベントが世界25カ国以上にて140以上の大会が開催されるまでに広がり、現在は国内でのイベント開催および各国の大会のとりまとめを行う。第18回文化庁メディア芸術祭エンタテインメント部門 審査委員会推薦作品 入選。第15回ホビー産業大賞 日本ホビー協会特別賞 受賞。Knowledge Innovation Award 3rd.グランプリ受賞。「しょうゆを自動でかけすぎる機械」「メガネに指紋をつける機械」など、嫌がらせ分野を中心として雑な電子工作も制作。DIYギャグ作家。2013年7月に渋谷ヒカリエにて個展『メカ供養』開催。

学位
人間科学 学士 大阪大学 2003年

経歴

  • 大阪大学人間科学部卒(~2003)
  • NECソフト株式会社勤務(~2007)
  • ニフティ株式会社勤務(2007~)

題目

できそこないのロボットが戦うとなぜ面白いのか ~世界25カ国で楽しまれるヘボコンのエッセンス

講演内容

2014年より「技術力の低い人限定ロボコン(通称:ヘボコン)」というロボットイベントを開催しています。ロボットを作る技術を持たない出場者が、見よう見まねで作った「自称・ロボット」(実態はほゴミ)を戦わせる競技です。開始からの3年間であっという間に世界に広がり、現在までに25カ国以上にて140以上のイベントが開催されました。このイベントの面白さの核心は「ハプニングが起こる確率を極限まで高めた」ところにあると考えています。今回はそういった構造の話から、世界に広まった経緯や歴代の名試合まで、ヘボコンのすべてをご紹介します。また、我々が運営するウェブサイト「デイリーポータルZ」では、ヘボコンのほかにも数々の人気企画を生み出しています。こういった企画を生み出す方法についても少しお話します。